五、 21世紀にむかって
1. 「食の安全」のために O-157、遺伝子組換え食品、さらにBSE(狂牛病)問題など、食の安全に関連してあいついで重大な問題がおきるなかで、食の安全をまもるための社会的なシステム整備の必要性が強調されている。この間、日本生協連のよびかけではじまった食品衛生法改正をもとめる運動は全国の消費者の運動としても大きく広がってきたが、その成果のうえに、食の安全をまもるための法整備や行政組織の整備をふくむ総合的な施策が早急に具体化されるように運動の輪をひろげなければならない。
2. 環境問題の解決のために 地球環境問題、化学物質による環境汚染、都市化・開発にともなう自然破壊など、環境問題はますます重要な課題になっている。消費者運動としても、環境に配慮した購買・消費・廃棄について考え、行動する消費者(グリーンコンシューマー)を育てる活動が重要になっている。 地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択された「京都議定書」が批准・発効にむかうなかで、国内対策、地域対策としての地球温暖化対策の推進がもとめられている。消費者運動としても何を、どのように課題としてとりあげていくのかを明確にしながら、COP3開催地・京都発のとりくみをすすめなければならない。
3. 消費者の権利のために PL法制定運動、そして消費者契約法制定運動などの成果をふまえ、日本の社会のなかで消費者の権利が確立することをめざして、消費者のための法制度全般についての見直しをすすめることが必要になっている。 司法改革に関わっては、消費者問題の特性から団体訴権を可能にするための条件整備が必要である。また、弁護士費用の敗訴者負担制度については、実質的に裁判を利用できないものにしかねないことから、その具体化にあたって消費者団体としての発言がもとめられるところである。
4. くらしを守るために 日本の国および地方財政の現状からみて、これからすすめられる税制改革、医療制度改革などは国民の重い負担を確実にともなうものになるものとみられる。他方では、長引く景気低迷のなかで、賃金引下げ、さらに雇用問題など、くらしは深刻な状況にある。暮らしを守り、日本経済を建て直すための総合的なビジョンをかかげ、関係団体との対話と交流を深めながら、幅広い共同の運動をすすめなければならないであろう。
5. 組織・財政基盤の強化のために これらの課題を担う消費者団体の組織・財政基盤を強化することは何よりも重要な課題になっている。日本の社会においてNGOやNPOの活動がようやく定着にむかうなかで、消費者団体の組織・財政基盤を整備するということから、消費者団体のNPO法人化の課題について具体的な判断が必要になっている。また、消費者運動の未来をになう若いリーダーの育成についても特別に重視しなければならない。
(2002年4月30日)
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