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家庭系有害廃棄物の適正処理のためにPARTⅡ」蛍光管の適正処理のために


 
京都市ごみ減量推進会議調査研究助成事業報告書
「家庭系有害廃棄物の適正処理のためにPARTⅡ」蛍光管の適正処理のために
特定非営利活動法人 コンシューマーズ京都(京都消団連)
  1. はじめに

     2003年度に実施した調査研究「家庭系有害廃棄物の適正処理のために」では、家庭からでる「やっかいなごみ」の実態把握、いくつかの自治体の対応についてのヒアリングなどから問題をひろいだす活動をすすめ、最終的にスプレー缶の再資源化等をめぐっていくつかの提案を行った。
     この調査研究で積み残した課題をひきつづき2004年度にとりくんでききたが、とくに焦点を廃蛍光管の適正処理にしぼってみた。
     蛍光管は、その発光原理からいって微量ながら水銀を使用している。したがって、蛍光管が「ごみ」になった段階で、適正な処理が行われなければ、使用されている水銀が環境負荷要因になりうる。このことは以前から指摘されてきたが、適正処理のシステムづくりがなかなかすすめられずにきた。
     近年、蛍光管の再資源化にむけての技術開発が次第に進歩し、事業所から出される「産業廃棄物」処理の一環として部分的にではあれ成果をあげるようになった。
      しかし、家庭からでる蛍光管についてはまだまだ処理システムが整備できていない。
     問題は、多くの品目でリサイクルが困難な実態にあるのと同じように、再資源化のための技術は準備されたものの、蛍光管を収集・運搬するための社会経済システムができていないということである。
     今回の調査では、準備されつつある蛍光管の再資源化のための技術や事業者の現状を把握するのとあわせて、いかにして蛍光管を収集・運搬するための社会経済システムをつくりあげるかという提案をまとめていくことを課題とした。

     
  2. 調査の経過と概要

    (1) 事業者調査から
     最初に、蛍光管の適正処理のためにとりくみをすすめている事業者の現状を取材した。取材先は以下のとおりである。

    エヌアイエ大阪営業所 6月28日に訪問
     ・ 守口市金田町2丁目12番地7号
     ・ TEL06-6901-5015 FAX06-6901-5398
    神鋼環境ソリューション 7月6日に訪問、見学<資料[1]>
     ・ 兵庫県加古郡播磨町新島19番地
     ・ TEL0794-36-2548 FAX0794-36-2585  
    野村興産関西営業所 8月5日に訪問<資料[2]>
     ・ 大阪市中央区高麗橋2丁目1番2号(高麗橋野村ビル7F)
     ・ TEL06-4706-1345 FAX06-4706-1346
    旭興産業 8月17日に訪問<資料[3]>
     ・ 京都市伏見区横大路千両松60-4
     ・ TEL075-623-5477
    エヌアイエ本社工場 8月28日に訪問<資料[4]>
     ・ 三重県上野市大野木字喜撰戸2178番地1
     ・ TEL0595-20-1624
    (株)ジェイエムアールに資料請求<資料[5]>  
     ・兵庫県尼崎市大高洲町9番地の2   
     ・TEL 06-6409-0252
    リサイクル・アース株式会社 12月20日に面談<資料[6]>  
     ・大阪府高石市高砂3丁目12番1号
     ・TEL 072-268-0271

    (2) 現地見学会
     事業者の実情を実地に見学するための見学バスツアーを9月28日に企画実施したところ、25名の参加があった。
    ・見学先
       旭興産業  京都市伏見区横大路千両松60-4 (TEL075-623-5477)
       野村興産関西工場  大阪市西淀川区中島2丁目4-143 (TEL06-6476-0025)
    ・京都市ごみ減量推進会議会報「ごみを減らそう」NO27に記事掲載。<資料[7]>

    (3)自治体調査
     自治体が蛍光管の処理をどのようにしているのかをホームページで調べるとともに、下記については直接取材をした。
     全国都市清掃会議 7月27日に訪問
     札幌市環境局環境計画課 12月16日に電話取材
     大阪市環境事業局総務部企画課 1月6日に訪問<資料[8]>
     神戸市環境政策課 1月12日に訪問

    (4) 普及啓発
    京路地フェスタ2004(ごみ祭)に出展  11月6日 京都市役所前
      ・ブース出展、ステージ企画(協力:野村興産)
    啓発パンフ「家庭からでるやっかいなごみ」発行 11月30日 
     ・4000部作成 <日本環境協会「藤本倫子基金」助成事業>

    (5) その他
    タニヤマムセン本店 7月9日に訪問
    京都銀行総務部 10月13日に訪問


     
  3. わかってきたこと

    (1)蛍光管のリサイクル・適正処理の事業には、新規参入業者もふくめて、いくつもの事業者がとりくんでいる。今回は、関西地区の事業者について取材したが、野村興産、神鋼環境ソリューション、エヌアイエ、ジェイエムアール、リサイクル・アースの5社がとりくみをすすめている。したがって、収集体制とコスト負担のシステムができれば、蛍光管のリサイクル・適正処理の道をひらくことは可能である。問題はまさに他のリサイクル品目と同じく、その収集体制とコスト負担の社会的なシステムをいかにしてつくるかということである。

    (2)自治体のごみ収集システムのなかでも、これまであいまいな取り扱いがされてきた蛍光管について、その取り扱い方法を次第に明確にする自治体が目立ち始めた。今回取材した大阪市では平成13年10月から区役所等で紙パック、乾電池とともに蛍光管の回収受付日をきめて回収している。

    大阪市の使用済み乾電池及び蛍光管の回収実績(単位:kg)
      13年度14年度15年度
    乾電池年度計画量27,700.052,800.052,800.0
    回収量6,372.713,763.816,550.9
    回収率(%)23.026.131.3
    蛍光管年度計画量8,400.013,800.013,800.0
    回収量6,149.79,628.510,480.5
    回収率(%)73.269.878.8

     また、札幌市では2004年10月から市内の電気販売店の協力による拠点回収を開始している。北九州市の事例に学んだとりくみだということだが、注目すべき事例である。担当のお話では、年間取扱い量を100トン程度と見込んでいるとのことである。<札幌市ホームページ参照>

    (3)事業者のなかでは、環境マネジメントシステムの構築にあたり、廃棄物処理の現状を見直すなかで、蛍光管について独自の処理方法を模索する動きがある。京都銀行の場合、年間35000本程度の蛍光管を使用するとのことだが、今年からリサイクルルートにのせるようになり、第1回分として9月に約7000本を処理業者に渡したと報告している。このような動きはこんごも広がるものとみられる。

     
  4. 残された課題
     このようななかで、京都市における蛍光管の収集・処理システムをどのように展望したらよいのかをまとめなければならない。現時点での提案としては、つぎのようなことを考えている。

    (1)回収方式
     各戸からの分別回収ではなく、[1]大阪市の事例に学び、区役所等で乾電池とともに行う拠点回収、[2]札幌市の事例に学び、家電販売店の協力をえた拠点回収、を基本としてはどうか。

    (2)回収主体
      京都市に回収主体になってもらうのが基本であるが、場合によっては、市民の参加を促進するために、このためのパートナーシップ型組織をたちあげる方法もある。京都市ごみ減量推進会議の活動にくみこむような形式もありうると思う。

    (3)コスト問題
      短期的には、京都市に一定の財政負担を決断してもらいたい。中期的には、拡大生産者責任の立場からメーカーの経費負担システムを実現していきたい。

      2005年度は、これらの点をにつめるために、ひきつづき関係者のヒアリングをつづけるとともに、可能であれば何らかの社会実験を行い、現実的・具体的な提案がまとめられないかと思っている。