京都府「安心・安全な消費生活の実現プラン改定版(中間案)」についての意見書
11月15日に原強理事長名で提出しました。
「安心・安全な消費生活の実現プラン改定版(中間案)」についての意見書
京都府では、現在、「安心・安全な消費生活の実現プラン改定版」の策定作業が行なわれており、このたび、その中間案についてパブリックコメントが実施されている。今回の作業は、先に行なわれた「消費生活の安定及び向上に関する条例」の改正にあたり、条例の名称を「京都府消費生活条例」とし、同条例にもとづく「行動計画」の策定を行なうことを方向づけたのをうけたものである。
私たちは、同条例の改定・施行に関心をもち、改定までにいくつかの意見を表明してきた。その経過をふまえて、この機にあたり、以下の通り、意見を表明したい。
1 消費生活行政の対象とする消費者問題の範囲について
今回、「消費生活を取り巻く現状」としてあげられた項目については、それぞれもっともなことであると思う。とくに、多重債務者問題や消費生活用品の安全性に関わる問題が位置づけられたことは評価したい。この現状認識をふまえ、具体的な施策を講じていただきたい。
他方で、食品の安全に関する問題や、環境に関する問題などについては、京都府に他の担当部局があるとはいえ、消費者問題の現状を論ずるうえでは是非とも視野にいれておくべき問題であると思う。実際の施策については関連担当部局との連携によることになるとはいえ、消費生活行政の対象とする消費者問題の範囲については常に柔軟に、幅ひろく、総合的にとらえるようにしていただきたいと常々考えているので、ひとことのべておきたい。
2 「消費者団体への支援」に関わって
私たちは、条例の改正時において「消費者団体への支援」について要望をのべた。これからの消費者問題の解決について考えるとき、消費者団体の果たすべき役割は大きいと考えている。そのために、消費者団体自身の自己努力が必要だという認識をもちながらも、他方で、消費者行政側からの支援があってよいと思う。以下は条例改正時の意見書(2007年1月17日付)の一部であるが、再録し、要望としたい。
「私は、消費者団体の役割の重要性を認めるならば、京都府における消費生活行政のなかで消費者団体に対して必要な支援措置がとられてしかるべきであると考える。その場合、支援措置の内容は、消費者団体のおかれた状況にふさわしくいくつかの段階があってよいと思う。すなわち、①消費者団体訴訟制度の適格団体に対する支援、②既存の消費者団体に対する支援、③これから消費者として組織をつくり、活動をはじめようとするグループに対する支援、というように、消費者団体のおかれた状況に対応した、消費者団体に対する支援メニュー体系を考えていただきたいと思うのである。
まず、今回の改正案でも特にとりあげた消費者団体訴訟制度の適格団体に対しては、消費生活相談情報に関して請求にもとづき提供されるべきであることはいうまでもない。私は、適格消費者団体に対する支援措置として、消費者が行なう訴訟費用の貸付支援制度と同様に、消費者団体訴訟費用についての貸付支援、場合によってはその返済義務を免除する支援についてもふみこんで具体化していただくことを要望したい。
既存の消費者団体に対しては、各種の情報提供や出前学習制度、京都府関連施設の提供などにとどまらず、消費者団体が自主的に行なう学習会の講師料支援、公募にもとづく一定額の活動助成金制度や少しまとまったモデル事業に対する助成事業など、支援メニューを示していただきたい。これは京都府もふくめて、多くの自治体が環境活動助成について準備し、活用されている支援メニューと見比べれば決して不当な要望ではないと思う。
これから消費者組織を作ろうとする消費者に対しては各種のアドバイス、情報提供からはじまって具体的な消費者団体育成メニューを示すべきである。」
ここでのべている要望について、これからの「行動計画」の課題とし、具体的な施策にしていく立場で、再度、検討をお願いしたい。
3 「行動計画」としてみた場合の問題点について
私は、条例改正にあたっての意見書(2007年1月17日付)で、同じく、以下のようにのべている。
「私は、京都府が取り組むべき具体的な行動計画の策定に関する条項がもりこまれたことは歓迎するが、どのような行動計画をつくり、どのように進捗管理するのかについても、条例において、具体的に、ふみこんだ規定をしていただきたいと思う。すなわち、私は、これからの消費者行政の発展・充実を展望した年次ごとの到達目標を明示した行動計画を策定し、その計画がいわゆるPDCAサイクルで管理されること、その進捗管理に対しては、消費者団体の代表もふくめた府民参加を重視しなければならないと考えている。」
今回の「プラン改定版」が条例にもとづく「行動計画」であるとするならば、ここで指摘したように、年次ごとの目標の明示と進捗状況の管理、とくに府民参加型の管理のしくみづくりが必要不可欠だと思うが、今回の中間案では、従来の「指針」的な文書ではなく、PDCAサイクルで目標を管理するという「行動計画」を策定する視点が欠落しているのではないか。ぜひ再考をお願いしたい。
4 個別の論点として
(1)多重債務者問題については、これまで消費生活行政のなかで十分にとりくまれてこなかった問題であるが、今回、「現状」認識でも、重点施策でもとりあげられたことは賛成したい。ぜひ充実したとりくみをすすめていただくように期待したい。
(2)「消費者グループの自主的学習活動における消費生活講座を支援します」ということもおおいに期待したいところである。2007年度、私たちは「消費者力パワーアップセミナー」を企画実施したが、たいへんよかったと自己評価している。来年度は京都府からの援助もうけて実施したいと考えているところであり、ぜひ施策の具体化をすすめていただきたい。
(3) 「大学の街・京都という特性を踏まえて、大学等と連携し効果的な啓発等を行います」ということが重点施策にもりこまれたことも賛成したい。大学での消費者教育が体系的にとりくまれるよう関係者との協議を具体的にすすめてもらいたい。
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