活動紹介
京都府安心・安全な消費生活の実現を目指す行動計画についての意見書
2009年11月10日
京都府消費生活安全センター 様
「安心・安全な消費生活の実現を目指す行動計画」(中間案)について
特定非営利活動法人
コンシューマーズ京都(京都消団連)
理事長 原 強
1 はじめに
消費者被害は後を絶たないばかりか、ますます多様化・複雑化・高度化し、被害の規模も大きくなっている。このようななかで、消費者行政の強化と消費者被害救済制度の整備の必要性はこれまでになく強まっている。このほど発足した消費者庁が、このような消費者被害にどのように有効な対策をとることができるか、注目していきたい。
同時に、消費者にとって、足元の自治体が頼りになる存在であるかどうかも問われている。この間、地方自治体の消費者行政は、予算や体制の点などからいって、残念ながら後退し続けてきたという印象がとても強い。
今回、「安心・安全な消費生活の実現を目指す行動計画」(中間案)がとりまとめられ、意見や提案が募集されているのを機に、消費者団体として率直な意見をのべることにしたい。
2 PDCA型の施策管理に関わって
この間、折りあるごとにPDCA型の施策管理ということが強調されてきた。この視点からみて、現行の「行動計画」にもとづく取組みの総括のうえに、あらたな「行動計画」が策定されるべきであるが、今回の「中間案」では、そのような手法がとられていない。これまでの取組みの成果は何であったのか、どこに問題があったのか、その結果、何が課題になっているのか、ということをふまえ、あらたな「行動計画」を策定することがのぞましいということを指摘しておきたい。
3 到達目標の明示に関わって
今回の「中間案」では、「1 改定の趣旨」「2 消費生活行政をめぐる状況と目指すべき姿」「3 課題」「4 施策の方向と重点施策」という文書構成がとられているが、「行動計画」である限り、「到達目標」を明示する部分が必要である。たとえば「5 到達目標と達成のための手段」とでもいうような部分をつくるべきである。
今回の「中間案」では「行動計画」の対象期間が明記されていないが、3年間になるものと思う。とすれば、その3年間の終結時点で、どのような到達目標を目指すのか、「計画」である限り、到達目標を明確にするべきである。「2」の(4)で「京都府の消費生活行政の目指す姿」という部分があるが、「視点」が示されているにすぎないと思う。
また、これからの検討にゆだねられることかもしれないが、到達目標を明記し、その達成のための手段を可能な限り具体的に示すことが必要であろう。
4 地方消費者行政活性化基金事業との関連について
現在、地方消費者行政活性化基金事業の取組みが始まっている。この取組みは、今回の「行動計画」の対象期間と部分的に重なり合うものである。したがって、「行動計画」の中で同時に「地方消費者行政活性化基金事業」の取組みをふくめることになることは理解できるが、「地方消費者行政活性化基金事業」が終了した段階でどうなるのかはわからないという事情にあるわけで、「既存事業」、「地方消費者行政活性化基金事業」、自主的な「新規事業」と区分して「計画」化することが求められるのではないか。そして「地方消費者行政活性化基金事業」を有効に展開しながら、可能な限り、「既存事業」の充実・活性化、有効な「自主的新規事業」の構築について独自に検討し、その財源措置を求めることが必要なのではないか。
5 京都府消費者行政の「司令塔」機能について
今回、発足した消費者庁は消費者の目線に立って行政全般を一元化するための「司令塔」だということが強調された。同じ問題が京都府行政の中にもあるわけで、京都府政全般を消費者の目線から一元化していく「司令塔」機能が必要になっている。
この点からいって、消費者行政が「消費者契約トラブル」などの問題にしぼりこまれるのではなく、「食の安全・安心行政」や「薬務行政」「環境行政」など、さまざまな関連部局と連携する以上の「司令塔」の機能をもつためにどうするのかという視点からの検討をすすめてもらいたい。
6 消費者団体との連携について
今回の「中間案」では、消費者団体との連携がこれまでになく強調されている。このことは基本的に歓迎したいと思う。そのうえで、どのような課題で、どのように連携していくのか、消費者団体とよく意見交換し、共通認識を深めるなかで新たな「協働」がはじまることを期待したい。「中間案」で示された「新規事業」の多くが消費者団体との関わりがあるものであり、「行動計画」の確定に至るプロセスのなかで消費者団体との十分な意見交換を行うようにしていただくことを希望する。
7 消費者教育・啓発について
消費者教育・啓発事業について消費者団体と協働ですすめていただくように具体的な検討をお願いしたい。
①「消費者力パワーアップセミナー」並びに「消費者力検定セミナー」などについて京都府として「共催」していただきたい。
②大学生を対象にした教育・啓発について、すべての大学で、入学時のオリエンテーション時に消費者教育・啓発を実施するよう各大学に要請していただくことや、正規の授業科目として「消費者保護論」「現代消費生活論」などを開講するように、各大学に要請していただくこと。大学コンソーシアム京都の単位互換制度を活用することも推奨していただくこと。京都府立大学でモデルになる科目を開講するように関係者と協議いただくこと。
③小・中・高、それぞれの学校教育段階に即した消費者教育の計画的な実施についてこの問題にふさわしいメンバーで計画策定委員会をつくり、集中的に検討していただくこと。
④消費者教育の人材育成について計画的な取組みをすすめていただくこと。
8 「京都くらしの安心・安全ネットワーク」について
①「ネットワーク」設立の目的に即した活動が展開できるように役員・運営・事務局体制・予算について十分検討していただくこと。
②「くらしの安心・安全推進月間」などは実行委員会形式で取り組むことを考えていただくこと。
③「京都くらしの安心・安全ネットワーク」の共同イベントとして「京都くらしの安心・安全ひろば」事業を計画していただくこと。
④この際、運営・事務局を消費者団体に委託することも視野にいれて活性化の方針を確立していただくこと。(地球温暖化防止活動推進センター、京都グリーン購入ネットワークなどの事例を参考にしてください)
9 「公募型パートナーシップ事業助成金」制度の創設について
京都府内の消費者団体等を対象にした「公募型パートナーシップ事業助成金」制度を創設していただきたい。当面、10万円コース、50万円コースくらいから試行的に実施してはどうか。その成果を発表し、交流する場をもって、成果を共有しあっていくことがのぞましい。京都くらしの安心・安全ネットワークの事業にすることもよいのではないか。
10 消費生活審議会の運営について
消費生活審議会の構成・運営について見直していただくこと。(同一人物が多数の審議会委員を兼務することについては制限を加えることが望ましい。同一人物の任期制限もあってよいことである。)
部会には審議会委員以外の参加も積極的に位置付けて討議の実質化をはかるように努めていただくこと。
連絡先 TEL075-251-1001
2009年11月10日
京都府消費生活安全センター 様
「安心・安全な消費生活の実現を目指す行動計画」(中間案)について
特定非営利活動法人
コンシューマーズ京都(京都消団連)
理事長 原 強
1 はじめに
消費者被害は後を絶たないばかりか、ますます多様化・複雑化・高度化し、被害の規模も大きくなっている。このようななかで、消費者行政の強化と消費者被害救済制度の整備の必要性はこれまでになく強まっている。このほど発足した消費者庁が、このような消費者被害にどのように有効な対策をとることができるか、注目していきたい。
同時に、消費者にとって、足元の自治体が頼りになる存在であるかどうかも問われている。この間、地方自治体の消費者行政は、予算や体制の点などからいって、残念ながら後退し続けてきたという印象がとても強い。
今回、「安心・安全な消費生活の実現を目指す行動計画」(中間案)がとりまとめられ、意見や提案が募集されているのを機に、消費者団体として率直な意見をのべることにしたい。
2 PDCA型の施策管理に関わって
この間、折りあるごとにPDCA型の施策管理ということが強調されてきた。この視点からみて、現行の「行動計画」にもとづく取組みの総括のうえに、あらたな「行動計画」が策定されるべきであるが、今回の「中間案」では、そのような手法がとられていない。これまでの取組みの成果は何であったのか、どこに問題があったのか、その結果、何が課題になっているのか、ということをふまえ、あらたな「行動計画」を策定することがのぞましいということを指摘しておきたい。
3 到達目標の明示に関わって
今回の「中間案」では、「1 改定の趣旨」「2 消費生活行政をめぐる状況と目指すべき姿」「3 課題」「4 施策の方向と重点施策」という文書構成がとられているが、「行動計画」である限り、「到達目標」を明示する部分が必要である。たとえば「5 到達目標と達成のための手段」とでもいうような部分をつくるべきである。
今回の「中間案」では「行動計画」の対象期間が明記されていないが、3年間になるものと思う。とすれば、その3年間の終結時点で、どのような到達目標を目指すのか、「計画」である限り、到達目標を明確にするべきである。「2」の(4)で「京都府の消費生活行政の目指す姿」という部分があるが、「視点」が示されているにすぎないと思う。
また、これからの検討にゆだねられることかもしれないが、到達目標を明記し、その達成のための手段を可能な限り具体的に示すことが必要であろう。
4 地方消費者行政活性化基金事業との関連について
現在、地方消費者行政活性化基金事業の取組みが始まっている。この取組みは、今回の「行動計画」の対象期間と部分的に重なり合うものである。したがって、「行動計画」の中で同時に「地方消費者行政活性化基金事業」の取組みをふくめることになることは理解できるが、「地方消費者行政活性化基金事業」が終了した段階でどうなるのかはわからないという事情にあるわけで、「既存事業」、「地方消費者行政活性化基金事業」、自主的な「新規事業」と区分して「計画」化することが求められるのではないか。そして「地方消費者行政活性化基金事業」を有効に展開しながら、可能な限り、「既存事業」の充実・活性化、有効な「自主的新規事業」の構築について独自に検討し、その財源措置を求めることが必要なのではないか。
5 京都府消費者行政の「司令塔」機能について
今回、発足した消費者庁は消費者の目線に立って行政全般を一元化するための「司令塔」だということが強調された。同じ問題が京都府行政の中にもあるわけで、京都府政全般を消費者の目線から一元化していく「司令塔」機能が必要になっている。
この点からいって、消費者行政が「消費者契約トラブル」などの問題にしぼりこまれるのではなく、「食の安全・安心行政」や「薬務行政」「環境行政」など、さまざまな関連部局と連携する以上の「司令塔」の機能をもつためにどうするのかという視点からの検討をすすめてもらいたい。
6 消費者団体との連携について
今回の「中間案」では、消費者団体との連携がこれまでになく強調されている。このことは基本的に歓迎したいと思う。そのうえで、どのような課題で、どのように連携していくのか、消費者団体とよく意見交換し、共通認識を深めるなかで新たな「協働」がはじまることを期待したい。「中間案」で示された「新規事業」の多くが消費者団体との関わりがあるものであり、「行動計画」の確定に至るプロセスのなかで消費者団体との十分な意見交換を行うようにしていただくことを希望する。
7 消費者教育・啓発について
消費者教育・啓発事業について消費者団体と協働ですすめていただくように具体的な検討をお願いしたい。
①「消費者力パワーアップセミナー」並びに「消費者力検定セミナー」などについて京都府として「共催」していただきたい。
②大学生を対象にした教育・啓発について、すべての大学で、入学時のオリエンテーション時に消費者教育・啓発を実施するよう各大学に要請していただくことや、正規の授業科目として「消費者保護論」「現代消費生活論」などを開講するように、各大学に要請していただくこと。大学コンソーシアム京都の単位互換制度を活用することも推奨していただくこと。京都府立大学でモデルになる科目を開講するように関係者と協議いただくこと。
③小・中・高、それぞれの学校教育段階に即した消費者教育の計画的な実施についてこの問題にふさわしいメンバーで計画策定委員会をつくり、集中的に検討していただくこと。
④消費者教育の人材育成について計画的な取組みをすすめていただくこと。
8 「京都くらしの安心・安全ネットワーク」について
①「ネットワーク」設立の目的に即した活動が展開できるように役員・運営・事務局体制・予算について十分検討していただくこと。
②「くらしの安心・安全推進月間」などは実行委員会形式で取り組むことを考えていただくこと。
③「京都くらしの安心・安全ネットワーク」の共同イベントとして「京都くらしの安心・安全ひろば」事業を計画していただくこと。
④この際、運営・事務局を消費者団体に委託することも視野にいれて活性化の方針を確立していただくこと。(地球温暖化防止活動推進センター、京都グリーン購入ネットワークなどの事例を参考にしてください)
9 「公募型パートナーシップ事業助成金」制度の創設について
京都府内の消費者団体等を対象にした「公募型パートナーシップ事業助成金」制度を創設していただきたい。当面、10万円コース、50万円コースくらいから試行的に実施してはどうか。その成果を発表し、交流する場をもって、成果を共有しあっていくことがのぞましい。京都くらしの安心・安全ネットワークの事業にすることもよいのではないか。
10 消費生活審議会の運営について
消費生活審議会の構成・運営について見直していただくこと。(同一人物が多数の審議会委員を兼務することについては制限を加えることが望ましい。同一人物の任期制限もあってよいことである。)
部会には審議会委員以外の参加も積極的に位置付けて討議の実質化をはかるように努めていただくこと。
連絡先 TEL075-251-1001