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提言「家庭からでるやっかいなごみ」の適正処理のために

京都市ごみ減量推進会議パートナーシップ事業のまとめです

提 言
「家庭からでるやっかいなごみ」の適正処理のために

特定非営利活動法人
コンシューマーズ京都(京都消団連)

1 これまでの取組みの経過
私たちが家庭から排出するごみの中には、次の表にあるような適正処理が困難な「やっかいなごみ」や環境汚染につながる「有害なごみ」がある。
有害性の区分 品目例
爆発性や引火性のあるもの (1)スプレー缶、(2)カセット式ガスボンベ、(3)小型ガスボンベ、(4)ライター、(5)液体燃料(灯油)、(6)火薬 

有害な物質をふくむもの (1)化学薬品、(2)農薬・殺虫剤、(3)医薬品、(4)溶剤・塗料、(5)蛍光管、(6)電池・バッテリー、(7)体温計 

感染性があるもの ①在宅医療器具 

収集処理が困難なもの (1)ピアノ、(2)大型金庫、(3)スプリング入りマットレス
、(4)タイヤ、(5)自動車・オートバイ、(6)消火器 

 私たちは、これらを「家庭から出るやっかいなごみ」とよび、その実態把握とともにその適正処理をめざしてさまざまな取組みをすすめてきた。 

2003年度においては、調査研究「家庭系有害廃棄物の適正処理のために」(京都市ごみ減量推進会議調査研究助成事業)にとりくみ、2004年3月、報告書「家庭系有害廃棄物の適正処理のために」をまとめた。また、これらの調査研究の成果をうけて、2004年11月、パンフ「どうするの?家庭から出るやっかいなごみ」を発行した(藤本倫子環境保全活動助成金事業)。 

2004年度には、調査研究「家庭系有害廃棄物の適正処理のためにPART2 蛍 光管の適正処理のために」(京都市ごみ減量推進会議調査研究助成事業)に取組み、2005年3月、報告書「蛍光管の適正処理のために」をとりまとめた。
2005年度には、調査研究「蛍光管の適正処理のために」(環境省エコ・コミュニテ イ事業)に取り組み、2005年12月、パンフ「どうするの?家庭から出るやっかいなごみ 蛍光管の適正処理を」を発行し、消費者・市民に対する啓発活動をすすめるとともに、家電販売店を回収拠点とした社会実験に取組むなかで、具体的に問題点の整理を行ない、京都市においても家電販売店との協力により蛍光管の拠点回収を行なうようにとの提言をまとめることができた。この提言は、2006年10月から家庭ごみ有料指定袋制の導入とあわせて実施された蛍光管の拠点回収の実現につながったといえる。 

2006年度には、調査研究「蛍光管の適正処理のために」(全労済環境助成事業)に取組み、パンフ「家庭からでるやっかいなごみ 蛍光管の適正処理を」を発行するとともに、「蛍光管フォーラム2006」を開催し、これまでの取組み内容をふまえ意見交換の機会をもった。 

このように、この間、各方面からの助成・協力をいただき「家庭から出るやっかいなごみの適正処理」というテーマで継続的な調査研究をすすめるなかで、従来あまり廃棄物行政のなかとりあげられることがなかった蛍光管やスプレー缶に関わって問題点を指摘し、その適正処理システム構築の必要性をひろく訴えてきた。
他方では、このような取組みを通じて、「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理の ために要するコストをだれがどのように負担するのがよいのかという問題がうかびあがっている。例えば、蛍光管の適正処理のためには、この間の回収実験で明らかになっているように、そのためのコストをだれが負担すべきなのかを明確にしなければならないのである。 

今回の京都市ごみ減量推進会議パートナーシップ事業「家庭から出るやっかいなごみの適正処理のために」においては、以上のような到達点をふまえて、各地の自治体、関連団体などのヒアリング、リサイクル施設の見学などに取り組むとともに、オフィスビルからの蛍光管分別排出実験に取り組み、事業系廃棄物の分別・適正処理の領域にまで問題意識をひろげてきた。

2 わたしたちの提案
 私たちは、これまでの取組みと、今回の調査研究をふまえて、「家庭から出るやっかいな
ごみ」の適正処理をめざして、以下のとおり、提案する。

(1) 蛍光管
一般家庭からの蛍光管については、京都市では2006年10月から家電販売店を拠点にした回収システムが動き出したので、当面、このルートを定着していくために、なぜ蛍光管の適正処理が必要なのかをくりかえし広報するなど、消費者・市民に対する教育・啓発を継続的に強めなければならない。私たちも消費者・市民むけの教育・啓発のなかでこの点は重視したい。 

地球温暖化対策に効果があるということから、白熱灯の代わりとして省エネ型蛍光球の普及がすすみはじめているが、数年後にはこれらがごみとして排出されることが予測される。したがって、これらの回収・処理システムもあらかじめ検討しておく必要がある。蛍光管の処理にあたる事業者段階では処理技術の改良が必要になるものと見込まれる。関係事業者では、いまから必要な準備をはじめてもらいたい。 

オフィスビルからの蛍光管については、今回の分別共同排出実験結果からいって、有効なシステム構築の可能性があるといえる。ただし、それはひとえにビル関係者の自覚と自発性をもとに組み立てねばならないものである。私たちも可能な支援を行なうが、関係者の努力に期待したい。また、それをすすめていくためにも、蛍光管の処理コスト負担のしくみを作り上げていくことが望まれるところである。 

 この間のとりくみのなかで、蛍光管メーカーは水銀の使用量の削減と省エネ・耐久性という視点から商品改善にあたっているというが、ごみになった蛍光管の適正処理コストの負担についてはまだ明確な態度を表明していない。問題解決のためには、拡大生産者責任の考え方から、メーカーの責任を明確にしなければならないだろう。 

 また、一部で始まっている「あかりサービス」システムについても研究課題とする必要がある。現在は大手企業や官公庁などから採用がはじまっているようだが、一般家庭レベルでも「まちの電気屋さん」のサービスとして考えていくことが必要なのではないか。

(2) スプレー缶
スプレー缶に関しては、収集・処理の段階での爆発事故が後を絶たないことから、最近、いくつかの自治体での分別回収の事例がみられるようになった。また、業界ではこれまでは「中を空にしてごみに出してください」という啓発をすすめてきたが、最近、「中身排出機構」をつけて商品を販売する動きが始まった。これがどのような効果をあげるのかについてはなお未知数といってよい。 

コンシューマーズ京都では、スプレー缶の処理に関わっては、この間、名古屋市の事例に注目してきた。 

名古屋市の場合、消費者・市民はスプレー缶だけの分別排出を行い、これをパッカー車に巻き込むことなく一ケ所に収集したのち、委託事業者の手で再資源化が行なわれている。とくに注目すべきことは、再資源化処理の入り口でスプレー缶の中身を排出させる機械を通すことによって、アルミ缶、スチール缶と同じラインで処理しているという点である。処理量も注目すべきものがある。問題点としては、事業系のスプレー缶の混入、処理事業者の段階での破袋作業などがあげられている。とはいえ、爆発事故は今も発生しており、いかに根絶するかはひきつづき課題となっている。 

スプレー缶は中身を除けばアルミ、スチールとして再資源化できるものであり、分別収集の対象にすることは意義のあることである。問題はいかにして爆発事故を防ぐかということである。対策としては排出段階で中身を空にして出すということ、ライターなどの混入を防ぐこと、回収段階では圧力のかかる回収方法をとらないことなどが考えられる。また、事業系のスプレー缶の混入対策は十分検討すべきである。 

京都市でもスプレー缶の分別回収の実施の方向が出されてきたが、どのような方法で家庭から排出し、どのように回収・処理するのか、全体像を提示し、消費者・市民の理解と協力を求めていかなければならないのだが、その場合、名古屋市の事例はおおいに研究し、教訓を引き出すべきである。

(3) 「その他プラスチック容器包装」
京都市では、2007年10月から「その他プラスチック容器包装」ごみの分別回収を全域で取組むことになっているが、プラスチックごみのリサイクルをめぐってどのような問題があるのかを、先行して行なわれてきたモデル地区での取組みや他都市の事例から学び、課題を整理して、実施にむかうことが必要である。 

 プラスチックごみのリサイクルをめぐってはいくつもの問題が指摘されている。
 家庭からの排出段階では、分別の考え方やルールをわかりすく設定し、十分事前告知するとともに、排出現場での教育・啓発を強めていくことが必要である。
京都市の、今回の分別回収の取組みは、容器包装リサイクル法に定められた「その他プラスチック容器包装」ごみが対象であることを十分に徹底することが必要である。消費者・市民の日常感覚でプラスチックごみのなかから「その他プラスチック容器包装」ごみを分別するというのは簡単なことではない。したがって、できるだけ早い時期から、何を分別して集めるのかをよくわかるように周知徹底してもらいたい。 

先行モデル地区や他都市でも現実におきていることであり、実施段階で心配されることは、収集対象として想定する「その他容器包装プラスチック」ごみではないプラスチックごみ、さらには金属ごみなど「異物」が混入することである。収集後に異物除去をするにしても、それはたいへんな作業になるのであり、排出段階で異物を混入させないことが必要である。 

 回収したプラスチックごみを中間処理する段階では、環境汚染対策を十分にとってもらいたい。この間、「杉並病」の事例や寝屋川市のプラスチック再処理施設の事例など、プラスチックごみのリサイクル現場における公害問題がさまざまに報じられている。京都市が準備する中間処理施設があらたな公害発生源になることのないように十分対策をとってもらいたい。また、関係地域住民とに対する説明責任もはたしてもらいたい。 

 プラスチックごみのリサイクルには「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリサイクル」という三つの方法があり、現在、有効利用率は60%レベルにあるといわれるが、家庭から出るプラスチックごみだけでみるとき、有効利用はなかなか容易ではない。したがって、ごみになったものをどうするかというのではなく、発生抑制対策をこれまで以上に強めることが求められるといわねばならない。 

 今回、分別の対象になる「その他プラスチック容器包装」については、本来、容器包装リサイクル法の見直しのなかで発生抑制対策を組み込むべきであったといえるが、残念ながら、今回の見直しでは十分な結論がでなかった。ひきつづき国レベルでの取組みがすすむようにはたらきかけをしなければならない課題だといえる。

(4) その他の「やっかいなごみ」
 「家庭から出るやっかいなごみ」には、二次電池や農薬・殺虫剤、溶剤・塗料など「有害な物質を含むもの」をはじめ、これまでとりあげてきたもの以外にも多々あるわけで、私たちもひきつづき調査研究を行ないたいと考えているが、なかでも感染性のある医療廃棄物対策については早急に実態把握と可能な対策をとってもらいたいと考えている。

 以上の提案については、ひきつづき多くの方と意見交換を深め、現実的なものになるように努力を重ねていきたいと考えている。