活動紹介
京都府食の安心・安全行動計画についての意見書
2009年11月6日
京都府農林水産部食の安心・安全推進課 様
「食の安心・安全行動計画の骨子」(案)について
特定非営利活動法人
コンシューマーズ京都(京都消団連)
理事長 原 強
1 はじめに
京都府食の安心・安全行政は、京都府食の安心・安全条例のもとで、鶏卵・鶏肉のトレーサビリテイシステムやきょうと信頼食品登録制度の推進、食品衛生監視など、次第に充実したものとなってきたといえる。
しかしながら、食の安心・安全に対する信頼を失わせる事件は相ついでいる。また、他方では、消費者庁の発足など、消費者の安心・安全を確保する行政を一元的に推進しようとする動きが強まっている。
このようななかで策定される「食の安心・安全行動計画」は、これまで以上に総合的な取組みを、消費者の目線を大事にしながら、消費者団体との連携を強化するなかで推進していくことが求められている。
2 PDCA型の施策管理に関わって
この間、折りあるごとにPDCA型の施策管理ということが強調されてきた。この視点からみて、今回の「骨子」(案)では、「総括」にあたる部分がない。現在の「行動計画」にもとづく取組みの総括のうえに、あらたな「行動計画」が策定されるべきであろう。
たしかに現在の「行動計画」は、今年度末までを対象期間としていることから、総括をするにはまだ早いのかもしれないが、基本的な成果や問題点などの整理を行ったうえで、あたらしい「行動計画」の課題提起をするという施策管理手法は大事にしていただきたい。
新しい「行動計画」において「相互理解と府民参画」「監視・指導の強化」「安心・安全の基盤づくり」という3つの基本課題がなぜ示されたのかを明確にするうえでも、このような作業は不可欠だと思う。
3 「相互理解と府民参画」について
この課題が重視されたことについては基本的に賛成したいが、この課題を推進するうえで消費者団体の役割について積極的に示していただきたい。ひとりひとりの消費者がしっかりと情報を把握し、行動できるようにしていくことが最終的には必要なことであるが、それを可能にするうえで消費者団体が果たす役割は大きいと思う。消費者団体がもっている情報提供機能、教育・啓発機能、政策提言機能などが行政の施策と結びつき効果をあげていくということを、この際、強調しておきたい。
4 「監視・指導の強化」について
食の安心・安全のために「生産から消費まで」の一貫した監視・指導を行うことの重要性はますます高まっている。毎年の「食品監視指導計画」にもとづく取組みを確実にすすめながら、よりすすんで「いざ」というときの体制づくりを意識的につよめてほしい。
とくに重大な事故情報の共有をどのようにすすめていくのか、具体的な計画を策定していただきたい。京都府の消費生活安全センターをはじめとした各部局との連携、京都市や周辺府県との連携の在り方、マスコミや消費者団体などとの連携の在り方など、あらかじめ重大事故を想定して取組み内容を明確にしておくことが望ましいと思う。
5 「安心・安全の基盤づくり」について
この課題についても「生産から消費まで」の各行程ごとに、一般に評価が定まった食品安全管理手法を駆使して消費者の信頼を高める努力が求められるといえる。その場合、中小事業者が多い京都府の事情に適した取り組みが必要である。
この点で強調しておきたいのは、同じく中小事業者むけの施策を重視している京都市の取り組み内容との整合性をよく検討して、これからの施策内容を具体化していただきたい。京都のなかで「二重システム」になるようなことがあれば、困るのは消費者である。
6 個別の論点として
(1)「リスクコミュニケーター」、「食の安心・安全協働サポーター」について
今回、数値目標をともなって示された「リスクコミュニケーター」「食の安心・安全協働サポーター」の制度について、それぞれがどのような位置付けのもとでどのような役割を担っていくのか、もう少し明確にしていただけないだろうか。
また、「食の安心・安全協働サポーター」については目標が「1000名」となっているが、多ければよいというものではなく、実際に具体的な役割を担ってもらうというのであれば、もう少し現実的な目標を掲げたほうがよいのではないか。
(2)消費者行政との関係について
今回、消費者庁の発足に見られるように、これからの行政は消費者の目線のもとで一元的にすすめられるべきである。この立場にたつとき、京都府においても消費生活安全センターとの連携が必要になる。あるいは消費生活安全センターが食の安心・安全の課題について「司令塔」になって機能するということも考えなければならない。今回の「行動計画」には、このような視点がないように思われるが、補強していただく必要があるのではないか。
(3)ホームページによる情報提供について
ホームページによる情報提供はますます重要になってくると思われるが、それでは現在、「食の安心・安全」情報がどの程度、ホームページを通じて発信され、効果をあげているのか、一度、具体的に検証していただいてはどうか。念のために、この指摘はホームページによる情報提供を積極的に行っていただきたいという立場からのものである。
(4)直売所の食品の安全確保について
これから直売所が農産物の販売形態として重要な位置を占めてくるといわれている。とするならば、直売所の食品の安全確保についてはあらたな取組みが必要になってくるのではないか。関係者との具体的な協議をすすめていただきたい。