活動紹介

トップページ > 活動紹介 > 食の安全安心 > 京都市食の安全・安心に関する条例(仮称)骨子案についての意見書

京都市食の安全・安心に関する条例(仮称)骨子案についての意見書

2009年12月28日
京都市保健福祉局保健衛生推進室生活衛生課 御中
 
「京都市食の安全・安心に関する条例(仮称)」骨子(案)についての意見書
 
特定非営利活動法人
コンシューマーズ京都(京都消団連)
理事長 原  強
1 はじめに
このほど京都市「京都市食の安全・安心に関する条例(仮称)」骨子(案)(以下、骨子(案)とする)が示された。私たちは、かねがね、京都市においても食品安全行政に関する条例が必要だと要請してきた経過からいって、骨子(案)が示されたことについて基本的に歓迎する。
私たちは、これを機会に、京都市の食品安全行政が、市民参加・目標管理型の行動計画をベースにしながら、PDCAマネジメントサイクルを確立いくことを期待する。
2 総論として
今回示された骨子(案)は「京都市食の安全・安心に関する条例(仮称)」骨子(案)とされているが、今回制定しようとする条例は、食品安全に関する条例なのか、食の安全・安心に関する条例なのか。もしも、食の安全・安心に関する条例だとすると、「食の安心」にかかわる条文・規定が不十分だと指摘したい。
BSE問題等を機に食品安全基本法が制定されたが、その際に、私たちが議論したことのポイントが「リスク・アナリシス」という考え方を採用することの意味、とくに「食の安全」と「食の安心」の違いをふまえた施策の必要性ということであった。すなわち、「いくら安全だといわれても安心できない」という言葉に集約されるような問題が、鳥インフルエンザのときにも、BSE問題の際にも、くりかえし問題になったところであり、食品安全行政において「安心」という概念がきわめて重要な概念とされ、消費者の「安心」を守るために「リスク・アナリシス」という国際的に採用されている考え方や手法を採用したということである。
この点をふまえるなら、あたらしく制定する条例においては、「安全な食品を安心して食べられることが消費者・市民の基本的な権利である」ということを前提に、食品安全基本法がなぜ必要とされたのか、その基本的な考え方は何であったのかということを十分にふまえることが必要である。
このような点から、「安全な食品を安心して食べられることが消費者・市民の権利」であるということを明記し、骨子(案)全体を見直し、必要とされる食の「安心」に関する条文・規定を補強していただきたい。とくに、条例制定の必要性を明確にするために「前文」を置き、基本的な考え方を明示するのとあわせて、条例第1条の「目的」及び第3条におかれるであろう「基本理念」の部分で基本的な考え方を明らかにしていただきたい。また、第2条で「定義」の条文を置くのであれば、そこで「安全」と「安心」に関する定義を書き込んでおくことが必要である。
「食の安心」はまさに関係者の信頼関係によって確かなものになる。そのためにリスクコミュニケーションの必要性が強調されるのである。骨子(案)では「情報の共有及び意見交換」という部分にあたるといえばそうだが、この際、「リスク」という概念をふまえた関係者の「リスクコミュニケーション」を意識的に強めていくことを条例に書き込んでいただきたい。
消費者・市民にたいする情報提供・教育啓発が意識的に系統的に行われることが必要である。私たちも、消費者団体としておおいに役割を発揮したいと考えているところである。条例のなかで消費者団体の役割として位置づけていただきたい。
食の安全・安心のための行政は、平常時においても、非常時においても、市役所の各関連組織との連携体制が必要である。とくに、この間、国段階においても消費者庁の発足など、消費者目線から総合的な行政を推進する、そのための「司令塔」機能の確立が必要だとされてきた。まさにこの点が地方自治体でも必要とされていることであり、京都市の行政組織のなかでの推進体制の強化について明記してもらいたい。また、京都府との連携に関わって、ぜひ二重行政にならないように、共同歩調がとれるように連絡調整を密にしていただきたい。
今回、骨子(案)についての意見募集が行われているが、こんご条例制定、さらに条例をふまえた推進計画の作成が行われていくことになるが、一連のプロセス全体をいつまでに何をどのようにすすめるのかを事前に示し、透明性の高い議論がすすめられるようにしていただきたい。
3 個別問題についての意見
(1)「安全な食品を安心して食べられることが消費者・市民の基本的な権利であり、それを守ることが京都市をはじめ食品に関わる関係者の責務である」ということを「前文」、条例の「目的」条項、「基本理念」の条項等で明確に示していただきたい。骨子(案)の「目的」、「基本理念」の表現では不十分だと指摘しおきたい。
(2)食の「安全」と「安心」の概念について、関係者の認識を一致させるために、「定義」条項で明確な定義づけをしていただきたい。
(3)骨子(案)では「市民」という用語が使われ、「消費者」という用語が使われていないが、食品に関わる関係者としては京都市、事業者、消費者というように扱うことが必要なのではないか。
(4)事業者団体、消費者団体について条例における位置づけを行い、その役割を明確にしてはどうか。
(5)「観光旅行者等の健康の保護」については「責務・役割」条項から切り離して、別条項で取り扱うほうがその趣旨がよく伝わるのではないか。
(6)食品安全推進計画についてはぜひ市民参加型、目標管理型の計画とし、PDCAサイクルで管理していくものにしていただきたい。毎年度の「食品衛生監視指導計画」との関係についてもよく整理していただきたい。いうまでもないことだが、食の「安心」を守るための「リスクコミュニケーションの推進」や消費者のなかでの教育・啓発活動などが具体的にとりあげられるものでなければならない。
(7)重大事故など緊急時の対応について、正しい情報をいかに早く伝え、関係者が課題をどのように共有しあっていくかということについて、この間の事例をよく検討していただき、必要な条項を書き込んでいただきたい。
(8)骨子(案)の「公表」に関わる記述方法については、「リスクコミュニケーションの推進」という視点と、制裁的な視点の両面から、よく検討していただきたい。
(9)「食の安全推進協議会」については、現行の「協議会」組織をスライドさせるのではなく、「審議会」組織としての位置づけを行うべきである。また、その構成についても、「食の安全・安心」を守るのにふさわしいものとなるよう、十分な検討を行っていただきたい。消費者団体の代表をその中に加えていただくことも要望しておきたい。骨子(案)のいう「臨時委員」が何をいおうとしているのか、不明確であるので、おくのであればその位置づけを明確にしていただきたい。
(10)罰則に関する条項については、「公表」条項が制裁的な意味を持っていることもふまえるならば、こんごの課題としてもよい。
 
連絡先 コンシューマーズ京都
    TEL075-251-1001 FAX075-251-1003
    メール:syodanren@mc2.seikyou.ne.jp