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京都市ごみ減量推進会議パートナーシップ事業報告書

「家庭からでるやっかいなごみ」の適正処理をめざして

1 事業の名称
京都市ごみ減量推進会議パートナーシップ事業
 「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理をめざして

2 事業の趣旨
 コンシューマーズ京都では、この数年間、「家庭から出るやっかいなごみ」をテーマに継続的に調査研究をすすめ、このなかで得られた情報をもとにいくつかの提言をおこなってきた。 

とくに、蛍光管の適正処理をめざす活動は大きなプロジェクトに発展し、2005年度、環境省の「エコ・コミュニティ事業」として採用され、蛍光管の回収をふくむ社会実験事業になった。このとりくみはメディアからも注目され、京都市における蛍光管の拠点回収の実現に道をひらいたと自己評価している。 

 このような成果をふまえながら、あらためて活動の出発点での問題意識にかえると、家庭から出るごみのなかには、蛍光管、乾電池などのほか、スプレー缶、プラスチックごみなど、実に多くの「やっかいなごみ」があり、これらの「やっかいなごみ」の適正処理のための社会的なシステムづくりは、まだまだできていないのが現状である。 

 蛍光管については一般家庭からでる「家庭系一般廃棄物」として扱われる廃蛍光管とともに、オフィスビルなどから排出される「事業系一般廃棄物」(場合によって「産業廃棄物」)として扱われる廃蛍光管について、排出実態に即した適正処理システムづくりが課題となってくる(メーカーの工場等については環境マネジメントシステムのなかで排出管理が比較的行なわれているといえる)。 

 そこで、今回の事業では、これまでの調査研究活動の成果のうえに、基本的には「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理を課題としながら、蛍光管についてはオフィスビルでの分別排出のシステムづくりについて視野にいれながら、いくつかの重点的な調査研究を行い、提言をまとめていくことをめざす。

3 事業計画
(1)これまでコンシューマーズ京都がすすめてきた「家庭から出るやっかいなごみ」に関する調査研究活動の成果をふりかえり、到達点を整理する。 

(2)「家庭から出るやっかいなごみ」の、いくつかの重点品目について追加的な調査研究を行う。追加的な調査研究を行う重点品目としては以下のものを設定する。
 [1]スプレー缶
 [2]プラスチックごみ
調査研究の方法としては、いくつかの自治体や事業者のヒアリング、リサイクル施設見学を実施するなかで課題と問題点を整理することにする。 

(3)蛍光管についてはオフィスビルからの分別排出についてモデル実験を行なうこともふくめて課題と問題点を探る。 

(4)問題解決のためのシステムづくりに必要な考え方や経済的な手法についても、情報集約を行い、検討する。 

(5)最終的に「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理についての提言をまとめあげる。

4 事業の実施経過
 (2006年)
  9月25日 助成金交付申請
 10月16日 審査委員会
 10月25日 助成金交付決定通知
 11月  自治体、関連団体のヒアリング、リサイクル施設の見学(-2007年3月)
オフィスビルからの蛍光管排出実態調査準備
 12月  オフィスビルからの蛍光管排出実態について分別排出実験
(-2007年1月)
 (2007年)
  1月27日 公開研究会:「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理をめざして
  2月6日 オフィスビルからの蛍光管回収作業
  3月13日 オフィスビルからの蛍光管排出実験報告会

<関連事業> 
(2006年)
  9月19日 蛍光管処理施設見学(全労済環境助成事業)
11月15日 「蛍光管の適正処理」啓発パンフ発行(全労済環境助成事業)
   25日 蛍光管の適正処理をめざすフォーラム(全労済環境助成事業) 
 12月10日 環境フェスティバル・エコワークショップ
「家庭から出るやっかいなごみ その適正処理のために」(京都府関連事業)
    24日 ワークショップ「プラスチックのリサイクル」
(地球温暖化防止京都ネットワーク主催)

5 事業内容
(1) 自治体、関連団体のヒアリング、リサイクル施設の見学
事業の実施期間が限られたので、当初の計画に比べて訪問・見学先が限定されたものになったが、以下のように訪問・見学を行なった。
11月 2日 環境省、日本電球工業会、エアゾル協会、全国都市清掃会議
13日 名古屋市ヒアリング
12月10日 京都環境フェステイバル・ワークショップ
        名古屋市のスプレー缶回収の事例報告
        PETボトルのキャップのリサイクルに関する事例報告
1月23日 神戸市ヒアリング
2月 5日 草津市、滋賀県社会福祉協議会
    11日 寝屋川市廃プラ施設による公害問題現地見学・交流
15日 京都環境保全公社見学
21日 宇治市ヒアリング
28日 横浜市ヒアリング
3月 7日 名古屋市リサイクル施設見学 

(2)公開研究会「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理をめざして
 開催日時 1月27日(土)午後1時30分から4時30分まで
 開催場所 コープイン京都
 内容
  主催者側の問題提起
  報告1「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理のための経済的手法について
      報告者 沼田大輔(神戸大学大学院)
  報告2 プラスチックごみの適正処理について
      報告者 望月康平(京都大学大学院)
  主催者側の問題提起、報告をうけて意見交換を実施。  

(3)オフィスビルからの蛍光管分別排出実験
 京都ビルヂング協会関係者のご協力のもと、オフィスビルからの蛍光管分別排出実験を行なった。 

 実験は5つのビルの協力のもと、12月、1月の2ケ月間に排出された蛍光管を分別・保管してもらい、2月6日、旭興産業に回収してもらうという方法をとった。
 その結果、回収された蛍光管は842個、220kgに達した。
 評価としては、分別・保管、回収に関してはスムーズに行なわれたことからいって、オフィスビル管理者がその必要性を自覚していただくことができれば実務的には問題なく蛍光管の分別排出は行なえることが確認できた。回収量もビルごとの違いがあったが、それなりのものであった。 

 この結果について、3月13日、京都ビルヂング協会関係者に報告する場をもった。関係者が問題にしていることは、当初から想定されたことであるが、収集・運搬、処理のためのコストをだれが負担するかということである。 

今回は社会実験ということで事業実施主体の負担において実施したが、こんご、本格的にシステムを構築し、システムを維持していくという立場にたてば、排出事業者に一定の負担をしていただくことが避けられないわけで、この点をふくめてビル関係者の理解を深めてもらうことが必要になるものといえる。 

 さらには、家庭から出る蛍光管の問題と共通してメーカー段階でコストを商品に組み込んでいくことも検討すべきである。 

 なお、この社会実験はマスコミにも注目され、ひろく関心を高めた。 

(4)「提言」のとりまとめ
 これらの事業の結果もふまえ、コンシューマーズ京都として「家庭から出るやっかいなごみ」の適正処理をめざす「提言」のとりまとめを行なった。

5 事業を終えて
 今回、京都市ごみ減量推進会議のパートナーシップ事業として助成をいただき、事業をすすめてきたが、全体としては関連事業もふくめて調査研究としても、普及啓発としても、効果があったといえる。とくに、オフィスビルからの蛍光管の分別排出実験はビル関係者にビルから出るごみ全体について目をむけ、その分別・適正処理を検討していただく動機づけになったのではないか。 

 コンシューマーズ京都としては、組織内外で「提言」についての対話・意見交換をすすめるとともに、オフィスビルからの蛍光管分別排出に関するシステムの構築をめざして、2007年度も社会実験を積み重ねていきたいと考えている。