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「すり抜ける」

[掲示日:2009.05.25]
しばらく更新をお休みしていました。もちろん、その間もニュースや情報は得ていました。とくに新型インフルエンザに関しては、これでもかというくらいに次々と情報戦が展開していて、納得できるもの、あきれ返ってしまうものなど、さまざま。 

5月21日の朝日新聞朝刊の見出しを見たときにはギョッとしました。
【米渡航女子高生2人 検疫すり抜けて帰宅】 

新聞のキャッチコピーは本文を読まなくてもおおよその中身が把握できるものでなければなりません。 

この見出しを読む限り、本来しなければならないはずの検疫という段階を経ずに通り過ぎた」というニュアンスが伝わってきます。つまり「すり抜ける」という言葉が、そこになかったはずの悪意を生み出しているのです。 

そのニュースの詳細を知っていると、検疫を受けたがその時には発見できなかった、という意味合いであることはわかるし、女子高生の意思がそこに働いていないこともわかります。
が、この見出しのみを読んだ人にとっては女子高生がズルをしたかのような印象を持つ人がいると思います。 

「すり抜ける」という言葉自体にもともとマイナスイメージがあるわけではなくても、全体の中での使われ方によっては悪意ある文脈になってしまう、それが言葉の持つ怖さです。 

その女子高生のみなさんがネット上で非難されているという事実の遠因をこの見出しが作ったとさえ言ってもいいのではないかと思います。